飲食店接客業は正社員・アルバイト9年経験してきました。
辞めるとき「残念です、もっと教わりたかった」「最初教えてくれたのが、さわちゃんさんで良かったです」なんて言ってもらえて嬉しいこともありました。
この9年間で、私なりに見つけた「新人の育て方」を複数記事でまとまてみようと思います。
この記事では、教える側の負担を減らし、新人がスムーズに成長できるための「準備」について、飲食店接客業を例に解説します。
準備することは大きく3つ
- 作業内容を洗い出す
- スキルチェック表を作成する
- マニュアルを用意する
時間があれば全部やってから新人を迎えたいですが…
取り急ぎでも①②はまとめて行っておくことをオススメします。
さっそくそれぞれの詳しい説明をしていきましょう!
①作業内容を洗い出す
まず、「そもそも何を教えるのか」を整理することがすべての出発点です。
②でスキルチェック表を作成しやすくなるのでExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ツールに書き出すのをオススメします。
洗い出し方
- 大カテゴリーとなる「ポジション」を洗い出す
- 飲食店接客業なので「ホール」ですが、その中にもポジションがあります。
レジ、ドリンカー、接客…etc - 勤務時間もポジションと捉えます。
朝(開店前)、アイドル(昼後~夜前のワンオペになりやすい時間・リセット作業のある時間)、深夜(閉店作業)
- 飲食店接客業なので「ホール」ですが、その中にもポジションがあります。
- 小カテゴリーとなる「ざっくりな作業内容」を洗い出す
- 例:レジ
会計、予約、テイクアウト受渡、値引・金券対応、レジミス処理…etc - 例:閉店作業
レジ閉め、ドリンカー閉め、トイレ清掃…etc
- 例:レジ
- カテゴリーをもとに「作業内容」を洗い出す
- 例:会計
現金会計、クレジット会計、電子マネー…etc - 例:ドリンカー閉め
ソフドリ、コーヒーメーカー、補充…etc
- 例:会計
ポイント
- 作業内容は、文章ではなく単語で示す。
- 例1:×:クレジットカードで会計する → ○:クレジットカード会計
- 例2:×:お客様が困っていないか注意を払う → ○:店内ラウンド
- 読解が不要になり、作業内容を瞬時に理解しやすくするため。
- 細分化する基準は手順が同じか異なるか。
細分化・カテゴリー化のメリット
- 「今日はこのカテゴリーを中心に覚えよう」と、教える範囲を限定でき、新人を育てやすくなります。
- 「あなたはこのカテゴリーの仕事が得意なんだね」と、強みを分かりやすく伝えられます。
- 教え手が誰に変わっても、教えるべき作業内容が統一されます。
スキルチェック表を作成する
洗い出した作業内容(=スキル)を一覧にし、習得度を可視化する「スキルチェック表」を作成します。
習得度をチェックできるようにする
習得度を4段階でチェックできるようにするのがオススメです。
Lv.1:口頭説明を受けた・数回経験した
Lv.2:1人で作業できるが見守りが必要
Lv.3:一人前
Lv.4:教えられる
この分け方なら、「前回でLv.1なら今日も引き続き一緒にやって、慣れてきたら1人でやってみよう」「Lv.2なんだな、やってるときは気にかけておこう」と新人の扱い方を判断しやすいです。
また、「1人で作業させて問題ない」と「新人に教えられる」は異なります。
作業内容ごとにある「教えたいポイント」を新人に伝えるか、伝え忘れてしまうかが違いです。
スキルチェック表のメリット
- お店全体で、共通の「新人の習得度合い」を持てます。
- 「あとどのくらい成長すればいいか」を具体的に自覚でき、新人のモチベーション維持につながります。
- 教え手が毎回変わっても、「前回はここまで教えたから、続きから」と効率的に指導を継続できます。
マニュアルを用意する
すべてを網羅した完璧なマニュアルは不要です。マニュアルは、教える側と教えられる側の負担を減らす「道具」として活用しましょう。
- マニュアル化すべき作業内容の基準
- 毎回決まった手順を踏む作業
- 例:トイレ清掃
- 手順の条件分岐が複雑な作業
- 例:会計、値引・金券対応
- 手順が多い作業
- 毎回決まった手順を踏む作業
マニュアルのメリット
- 教え手が誰でも、アルバイトに同じクオリティの作業内容を教え、実践させることができます。
- 2回目以降の教育では、「マニュアルを見ながら進めて、分からないところが出てきたら声をかけてね」と伝えることができるようになり、効率良く育てられるようになります。新人の自律的な学習も促進されます。
まとめ
アルバイトの育て方で最も重要なのは、「何を教えるか」「どのレベルになったら一人前か」を教え手と新人の間で明確に共有することです。
今回ご紹介した「作業内容の洗い出し」「スキルチェック表の作成」「マニュアルの準備」は、教育における曖昧さを排除し、誰でもブレずに教えられる環境を整えるための土台となります。この準備を徹底することが、新人育成を成功させる最短ルートです。
