飲食店接客業歴9年の私が考える新人の育て方【教え方】

こんな人に読んでみてほしい
  • 新人に教える方法が分からない
  • 初日に新人に何をさせたらいいか分からない
  • 新人が「指示待ち人間」になってしまう

飲食店接客業は正社員・アルバイト9年経験してきました。
辞めるとき「残念です、もっと教わりたかった」「最初教えてくれたのが、さわちゃんさんで良かったです」なんて言ってもらえて嬉しいこともありました。
この9年間で、私なりに見つけた「新人の育て方」を複数記事でまとまてみようと思います。

この記事では、教える側の負担を減らし、新人がスムーズに成長できるための「教え方」について、飲食店接客業を例に解説します。

意識することは大きく4つ

  • 誰にも何にも、必ず「最初の1回目」がある
  • 作業内容の「目的」「手段」を理解してもらう
  • メモを取らせる
  • OJTは慎重に

誰にも何にも、必ず「最初の1回目」がある

・覚える側も教える側も心にとどめておきたいこと。
・「そんなことも知らないの?」「そんなこともできないの?」がなくなる。
・今日「最初の1回目を経験できて(させれて)良かった」と考える。

飲食業・接客業のスタッフにとって「ハンディー」といえばアレですが、新人さんにとっては「ハンディー」って何?となります。
飲食業・接客業のスタッフにとって、お客様に商品をお渡しすることはよくあることですが、新人さんにとっては初めてやることです。
社会人にとって、謝るときは「申し訳ございません」ですが、学生さんには「ごめんなさい」「すみません」などで謝るのが大事くらいで教わってます。

これに対して「そんなことも知らないの?」「そんなこともできないの?」と思う前に。
教え手にも「ハンディーという言葉を知ったとき」「お客様に商品を初めて直接お渡ししたとき」「社会人が謝るときは申し訳ございませんだと知ったとき」が必ずあることを思い出してください。

特に学生アルバイト・新卒が相手のとき

社会人としての常識をこれから覚えようとしてます。
知らないこと・できないことに対して、驚いても怒らずに、今日「最初の1回目を経験できて良かったね」のスタンスでいてあげてほしいです。

記事著者はとても運が良く、初めての飲食ホールスタッフのアルバイトの初回研修で、一通りの敬語を教わり覚えたかの確認のテストまでしてもらいました。

作業内容の「目的」「手段」を理解してもらう

一般的に「目的(何を)」「手段(どうやって)」の順番で教えると思います。

例:スキルチェック表の「接客 > テーブルセット
目的:使用後のテーブルをキレイにする。
手段:食器を下げる。→ダスターでテーブルを拭く。→備品の位置を整える。

このとき「手段」だけでなく「目的」を理解してもらうことが接客クオリティを変えていきます。

目的が抜けるとどうなるか?

「目的」が抜けたスタッフにテーブルセットをさせると
「ダスターでテーブルを拭いたからOK」
「備品の位置を整えたからOK」
という思考になります。
忙しい時間帯にこのスタッフがテーブルセットをすると、キレイになっていないテーブルにお客様をご案内しかねません。

一方、「目的」を理解しているスタッフにテーブルセットをさせると
「ダスターでテーブルを拭いて、キレイになったからOK
「備品の位置を整えて、キレイになったからOK
という思考になります。
忙しい時間帯でも「目的」のために作業するスタッフの作業クオリティは下がりにくいです。

イレギュラーな場面でも考えて動けるスタッフが育つ

接客といえばマニュアル通りにいかないものです。
「目的」が抜けたスタッフはマニュアル通りの手段でしか動きません。

一方、「目的」を理解しているスタッフはイレギュラーな場面に遭遇したとき、
「マニュアルの手段では目的が達成できない」
と考えて異なる手段を検討できます。

メモを取らせる

  • 「2回目以降メモを見ながら作業ができるように」するため。
  • マニュアルがあるときは、その補足になるようにメモを取らせる。
  • 新人さんの脳内整理にもなる
  • メモの取り方を確認してあげる

メモの取り方の確認

メモの取り方まで教えてあげろという話ではなく…

自分が初めて作業したときにつまずいたことを思い出しながら、メモを確認してあげると「これ書いておいた方が良いよ!」というポイントが見つかります。
新人さんと教え手の視点だと「メモすべきと感じるポイント」が異なるからです。

2回目以降も分からないときには声をかけてもらう

「2回目以降メモを見ながら作業ができるように」するため=「もう聞かないでね」「もう教えないよ」
ではありません。

新人さんと教え手の視点だと「メモすべきと感じるポイント」が異なります。
新人さんだからではなく、人間だからメモし損なうことはあります。

1回目でメモをしっかり取ってもらったうえで、2回目以降も分からないときには声をかけてもらいましょう。

OJTは慎重に進める

お客様と直接関わる作業(注文・提供・会計など)は初回説明のあと、いきなりぶっつけ本番させないであげてください。
それを乗り切れるのは飲食店接客業の経験者だけですし、経験者でさえぶっつけ本番は手や声が震えます

OJTのオススメの流れは次のとおりです。

  • プレ作業
    • 空きテーブル・スタッフを借りて、スタッフをお客様に見立てて初回説明を行う。
  • 見学・イメトレ
    • 既存スタッフが実際にやってるところを真横で見学
    • 覗き見て脳内イメトレ
  • 一緒に実作業
  • 見守られてる中で1人で実作業

プレ作業

私はよく、空きテーブル・スタッフを借りて、スタッフをお客様に見立てたプレ作業をしながら初回説明をしました。
口で話すよりずっと伝わりやすいです。

  • 初回の口頭・実演説明
    • 教え手が動きながら手順を伝える。
    • メモももちろん取らせてOK
  • 新人さんと一緒に実演する
    • プレ作業でも新人さんはとても緊張して台詞が飛びます。
      横から逐一、次の台詞を教えてあげてください。
    • 一番緊張する「最初の1回目」も、プレ作業でならいくら失敗してもOKです!
  • 新人さん1人で実演してもらう。2~3回行えると良いです。
    • ざっくり褒めて、細かく改善を提案(=指摘)する。
      例:「大まかな流れは合ってたからOK!細かいところを1つずつ良くしていこう!」
    • 「褒め:指摘=1:1」を意識して伝える。
    • 「お客様のためにこうしてあげて」を伝える。
      例:「お客様に何の話をしているか伝わるように、商品を手で指し示してあげるといいよ」

見学・イメトレ

プレ作業は、新人さん以外のスタッフの時間を割いたり、1席潰したりするため、気軽には行えないです。
初回のプレ作業をしたあとは、既存スタッフが実際にやってるところを真横で見学してもらったり、覗き見てイメトレしてもらいましょう。
既存スタッフの見学をしている新人さんをみて、気分を害するお客様は滅多にいないです。
気になるようであれば、最初に「新人に見学させていただけますか?」と断りをいれましょう。

一緒に実作業

作業するのは新人さん。
教え手は、新人さんの真横からフォローを入れてあげましょう。

お客様は選ぶ

ファミリー層やご友人での利用など、「新人さんを温かく見守ってくれそうなお客様」を選びましょう。
お店の系統によっては社会人カップルのお客様も大丈夫だったりします。

お客様を不用意に不安にさせないため、新人さんに怖い思いをさせないためにも大事なことです。

お客様に断りをいれる。

最初にお客様に「新人に対応させていただけますか?」と断りをいれましょう。
この断りはお客様だけでなく、新人さんにも「お客様は自分が新人であることを理解してくれている」という安心感を持たせます。

新人さんの真横からフォロー

遠くではなく真横にいることで、お客様・新人さんともに安心させることができます。
新人さんの動き・喋りはたどたどしいかもですが、ゆっくり見守り考えさせながら作業させましょう。

  • 台詞が飛んでしまってるとき
  • 新人さんが間違えてしまったとき
  • イレギュラーが発生したとき

こういったときはそっと「こうだよ」と耳打ちしてあげたり・対応を変わったりしましょう。

お客様にお礼

新人さんに対応させてくださったことに対して、お礼をお伝えしましょう。
「お客様にも育ててもらった」という気持ちが、新人さんの後々の接客クオリティに活きてくると嬉しいですね。

見守られてる中で1人で実作業

教え手が、新人さんの真横にいなくても大丈夫そうと感じたら、通常のスタッフと同様に作業してもらいましょう。

遠くから見守る

真横でフォローしていた教え手は、今度は遠くから見守りましょう。
ただし、新人さんのミスは教えての責任です。
最初はすぐに駆け付けられる手すきの状態で見守りましょう。

  • イレギュラーがなければ問題なく対応できる
  • 分からないときは必ず先輩スタッフを頼りに来る

新人さんが上記の状態になったら、他のスタッフに「新人さんがこの作業をしていたら少し気にかけてあげて」と共有して、教え手が付きっきりの段階を卒業です。

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